推し活

気が向いた時にふりかえる日々のあれこれ

妓夫太郎と堕姫の関係

先人が考察したであろうことですが自分の言葉で記すのが大事だと思うので。

私も梅ちゃんが死後なぜ地獄への道1本ではなかったのかを書いておこうと思います。

 

そもそも梅ちゃんは本当に生きていたのかというところからです。

人間であったころ大やけどをおってあと数分の命だった梅ちゃん。

当時の年齢・姿のままあの世に現れたということは

本当はその時に亡くなっていたのではないでしょうか。

 

血をやるよ二人ともと甘い言葉(?)で童磨は梅ちゃんにも血をあげていますが

人間から鬼に変貌する時にかなりの体力を消耗する、と

一巻で義勇さんは言っています。

変貌できる体力が梅ちゃんに残されているはずがありません。

 

となるとあの「堕姫」は誰なのか。

鬼滅の世界は死者が割としゃべるというか生者にかなりからんでくるので

候補は色々あります。

妹を死なせたくないと思った妓夫太郎の作り出した幻影か

はたまた童磨の人形か。

梅ちゃんが少しでも存在していたのか。

 

ここでキーワードになるのは「ずっと一緒にいる」という約束。

梅ちゃんはお兄ちゃんと交わした約束を守るために死後の世界にいかず(いけず?)

ただお兄ちゃんのためだけに精神だけでも残ろうとたのではないでしょうか。

どんな形であろうとお兄ちゃんの側にいることを願ったのでは。

 

でも当然命はつきているから「一人の鬼(人間)」としては存在できない。

自分で自分を維持できない。

妓夫太郎は恐らく血で苦しむ梅ちゃんを少しでも助けたくて

苦痛を軽減させたくて

すでに息絶えているけど痙攣しているであろう梅ちゃんを自分の身と融合させて

梅ちゃんと体を共有したんじゃないかな。

共有したからこそ鬼として二人とも生きていられると思って

梅ちゃんの死を気付けなかったのでは。

自分の分身を作り上げたようなものだけど、そこに梅ちゃんが精神だけの状態で

入り込んだから「生きてる」とさらに錯覚していく。

 

もともと自分の一部であるから

ともすれば自分が「梅」の意識を追い出してしまうということは

本能的に知っていて

だからこそ普段は生きていてほしいと願った「梅」の意識が表にでることを

望んで自分の意識は眠らせて置いたのではないでしょうか。

自分が起きちゃうと「梅」の居場所がなくなっちゃうから。

遊郭」からでなかったのもそう。

そこからでるとそれ以外の世界を知らない「梅」がどう考え動くかわからないから。

あやふやな存在でも「遊郭」なら記憶と経験が「存在」している。

でも一歩そこからでてしまったら。

境界線を越えてしまったら。

もしかしたら「また」消えてしまうかも、と思うと

「妹がいる遊郭」以外に彼らは存在できなかったのかもしれません。

 

そう考えると

妓夫太郎が覚醒すると堕姫から妓夫太郎の声がすること

妓夫太郎が「生者」とするなら「死者」である堕姫に自分の一部を写すことは

反対の存在になるということだから「陸」の文字が反転するのも

納得がいきます。

 

まさに二人で一人

一人だけど二人

 

堕姫がやったことはすべて本当は

「妹ならこうするだろう」と思う妓夫太郎がやっていて

梅ちゃんがやったことはただ「お兄ちゃんとずっと一緒」だとしたら

彼女を裁くことなんて誰ができるのか。

 

最後の最後

地獄の業火を越える妓夫太郎を人間に戻したのは

妓夫太郎が育てた梅ちゃん。

そんな一途な妹を今度こそ「まっとうな」人間にしたいと思う

兄の心が「人として生きる」という道なら。

次に生まれ変わったら次こそは

彼が言う禍福は糾える縄の如しのように

彼らに幸せが訪れたらいいな、と願わずにはいられません。